土木学会論文集
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降雨による表層土壌カラムからのコロイド粒子と溶存有機物の流出特性
本下 晶晴小松 登志子下所 諭Per MOLDRUP尾崎 則篤福島 武彦
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2002 年 2002 巻 706 号 p. 61-76

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抄録

汚染物質のキャリアーとなり得るコロイド粒子と溶存有機物の降雨による表層土壌からの移動についてカラム実験により検討した. その結果, 無機・有機コロイドと溶存有機物の流出挙動はそれぞれ異なる, 降雨強度の影響は特に見られない, macropore の存在により無機・有機コロイドおよび溶存有機物のいずれも流出量が増加することなどが明らかとなった. 土壌から流出するコロイド粒子のうち約93%が無機性, 約7%が有機性であった. 流出する有機物のうち約14%が有機性コロイド, 約84%が溶存有機物, 約2%が粒子状有機物であった. 環境中において有機コロイドや溶存有機物により輸送が促進されるベンゾ (a) ピレンの地下水への流出濃度は約4.9×10-3(μg/L) と試算され, その危険性が示唆された.

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