Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
症例報告
骨盤内腫瘍による神経障害性疼痛に対しエコーガイド下坐骨神経ブロックが有効であった1症例
橋本 典夫西島 薫小林 身和子桑原 知恵子森本 孝子阪口 紀子中西 晶子田中 裕子小山 富美子厨子 慎一郎柴田 邦隆
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2011 年 6 巻 1 号 p. 313-315

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抄録

骨盤内腫瘍増大による神経障害性疼痛に対し従来の薬物療法では十分な除痛が得られず, エコーガイド下坐骨神経ブロックで良好な鎮痛が得られた症例を経験したので報告する. 【症例】60歳代, 男性. 骨盤内腫瘍による神経圧迫が原因の痛みに対しフェンタニル貼付剤10.5mg, ガバペンチン1,600mg/日, エトドラク400mg/日, アミトリプチリン30mg/日まで増量したが, 眠気が増加するのみで十分な鎮痛効果が得られなかった. エコーガイドで坐骨神経に0.1%ロピバカイン5ml/時で持続投与することで痛みが軽減し, フェンタニル貼付剤8.4mg, ガバペンチン800mg/日, アミトリプチリン10mg/日まで減量が可能となり, 眠気も軽減することができた. 従来の末梢神経ブロックと異なりエコーを使用することで安全かつ確実に鎮痛が得られるため, 全身状態が悪い状況であっても神経ブロックの選択が可能となる. Palliat Care Res 2011; 6(1): 313-315

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© 2011 日本緩和医療学会
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