Journal of UOEH
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社会保険労務士に必要な産業精神保健の能力研修・評価法の開発
森本 英樹 柴田 喜幸茅嶋 康太郎本山 恭子若林 忠旨洞澤 研丸田 和賀子小笠原 隆将錦戸 典子大山 祐史豊田 裕之森 彩香森 晃爾
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2016 年 38 巻 2 号 p. 163-173

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抄録

社会保険労務士(社労士)は,顧問先から産業精神保健分野の相談を受けているが,社労士に必要な産業精神保健の能力について明確にされているものはないため,我々は産業精神保健分野の相談に社労士が対応するために必要な能力を標準化し,これらを学ぶことができる討論型研修を設計した.医師,産業看護職,社労士,教育設計専門家,経営コンサルタントで構成される研究班会議で,ブレインストーミング法を用いて社労士が産業精神保健に関わるために必要な能力をまとめ,能力を身につけるための学習目標と討論型研修で使用する4事例を,計9時間30分の研修として作成した. 研究班員の紹介によって19名の受講者が参加し,本研修の有効性評価として研修直前と直後に集団法で7問の論述式試験を実施した.研修の全項目に参加した16名を調査対象とし試験の回収率は100% であった.社労士に必要な能力として,厚生労働省の通達など知識だけでなく,情報収集や助言や復職時の対応などがあげられた.本研修の評価では,設問の合計点と7設問について,Wilcoxonの符号付順位検定を行ったところ,いずれも研修前後で有意差が認められ,本研修の有効性が示唆された.

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© 2016 産業医科大学
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