1997 年 1997 巻 559 号 p. 13-22
テトラクロロエチレン, ベンゼンなどの揮発性有機化合物 (Volatile Organic Chemicals) の土壌内挙動を把握するために, VOCsの移動特性を評価する指標として遅延係数に着目し, マイクロカラムを用いてガスクロマトグラフによる簡便な遅延係数決定法を提案した. この方法は, 移流分散の条件下でVOCs (気体) の遅延を測定するもので, 同時に移動パラメータ (流速, 分散係数) を決定することができる. テトラクロロエチレン, トリクロロエタンについて流速, 温度, 有機物量, カラム長などの遅延係数に与える影響を検討した結果, 流速, カラム長の影響は小さい, 温度の低下とともに, また有機物量の増加とともに遅延係数は大きくなる, 温度, 有機物量の移動パラメータに与える影響は小さい, ことなどが確認された.