土木学会論文集
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土壌内における揮発性有機化合物の気体移動の遅延に与える環境因子の影響
山口 登志子田中 敢Romeo Ioan FarcasanuPer Moldrup
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1997 年 1997 巻 559 号 p. 23-29

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抄録

土壌ガス吸引法 (SV法) は揮発性有機化合物 (VOC) によって汚染された土壌の浄化法として広く用いられているが, SV法による土壌浄化の効果を把握するするためには移流分散の条件下でのVOCの挙動を明らかにする必要がある. 本研究ではVVOC (気体) の遅延係数を土壌マイクロカラム法により測定し, VOCの土壌内移動特性に与える流速, 温度, 土壌水分, 土壌特性などの影響について検討した. 得られた結果は次のとおりである. 流速, カラム形状は遅延係数にほとんど影響しない. 温度の低下に伴って遅延係数の値は増加し, 温度の効果は土壌水分が小さい範囲で著しい. 土壌特性により遅延係数は大きく変化し, 表面積の小さい土壌では, 土壌永分の遅延係数に与える影響が大きいことが認められた.

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