2013 年 69 巻 7 号 p. III_571-III_579
本研究ではPPCPsの一群である3種類の香料成分(OTNE, HHCB, AHTN)と抗菌剤であるtriclosanを対象として下水処理場内への流入と放流濃度を測定し, 除去率を導出した, また広島湾北部域での底質濃度分布を測定した. それに基づき広島湾流入城を対象として処理場からの流出と湾内への堆積負荷を導出し, それぞれの物質収支を検討した. 流域内での下水処理場を経由する負荷は流入においてはそれぞれ200-1000kg yr-1, 流出は0-600kg yr-1であった. 広島湾北部の底質への堆積負荷はそれぞれ0-4kg yr-1であり, 下水処理場からの流出負荷は広島湾の堆積負荷と比較して高いという結果が得られた. 更に関連する物質の濃度を測定しその動態を考察した.